遡ること25年。
暁星高校体育教官室での一幕。
高校三年生の私
「先生、大学は早稲田でサッカーやりたいです。」
恩師林先生(早稲田大学ア式蹴球部OB)
「おまえみたいな下手くそが早稲田に行っても、足手まといになるだけだよ。」
18の私の心は完全に折れました。
しかし、おっしゃることはごもっとも。
3年間で怪我ゼロ&公式戦出場ゼロの実績。
二浪の末に東大へ。
そして東京大学のア式蹴球部に入部。
いわゆる「ア式」違いのサッカー人生がスタート。
「いつか早稲田を倒したい。」そんな思いを胸に。
大学4年間、2つの「ア式」が相見えることはなく、そんな思いはすっかり忘れてました。
そこから四半世紀の時を経て、人生で初の早稲田さんとの対戦。
25年の月日は、私の体脂肪率を3倍に、中性脂肪を10倍に膨れ上がらせました(先月の人間ドック結果参照)が、
サッカーへの愛情の増幅はそんなもんじゃありません。
明日は、未来の成功を信じて疑わない若者達と、
プロで通用しなかった、あるいは通用しなくなった者達との戦い。
加えて、大学時代に関東リーグを制覇し、プロ選手としてのキャリアを持つ監督と
大学時代に東京都リーグを経験し、今でもサラリーマンと掛け持ち生活の雑草監督との戦いという構図。
その結果を予想するのは簡単なようで、実はやってみないとわからないのがサッカー。
雑草には雑草にしかわからない矜持がある。
25年前の体育教官室で恩師が続けた言葉。
「選手としての成功を求めることだけが大学生活じゃない。
おまえは勉強だけは得意なんだから東大でも目指してみろ。きっと見えてくるものがある。」
早稲田に行っていればまた違うサッカー人生があったと思う。
しかしながら、今のサッカー人生に後悔が全くない。
早稲田さん、明日胸をお借りします。
東京ユナイテッドFC
監督 福田雅