■「素朴な疑問。なぜ、日本の競泳は強いのか?」
共同代表の人見です。連日連夜のリオ五輪での日本選手の活躍で完全に睡眠不足。
今すぐ、リオに行っても時差関係なく、やれそうな気がしてます。
開幕前のワクワク感ゼロが嘘のようで、改めて、やっぱりスポーツはいいなぁと実感する毎日。
そんな中、個人的には、競泳日本代表の活躍がとても気になる。
(もちろん、体操、柔道「JUDO」のメダルラッシュもスゴイんですが…。)
昔から疑問に思っていたのが、なんで、フェルプスみたいな身長2m近い選手など、
体格・身体能力で圧倒的に優る外国選手と日本人選手が互角以上に戦えるのかと?
スイムウェア以外は、まさに身体1つ、水中で「スピード」のみを争う、競泳という競技で、
なぜ日本選手があれほどまでにメダルを獲得できるのか? 正直、不思議だ、陸では全く歯が立たないのに。
先日、会社の水泳部出身の先輩に飲みながら聞いたところ、日本の競泳育成システムに勝利の要因があるとのこと。
1964年東京オリンピックが残したもの(レガシー)の1つとして、大会後に日本全国で普及したスイミングスクールの存在がある。
そもそも、当たり前のように小中学校にプールが設置されている国は、日本以外に殆どないらしい。
そして、当たり前のように体育でプールの授業がある。
子供が泳げないとかわいそうという理由(もちろん、身体を鍛える上で水泳は効果・効率的だと思う)もあいまって、
多くの親御さんは子供をスイミングスクールに通わせる。私の息子も、一番最初に通わせた習い事はスイミングスクールだ。
事実、子供に通わせたい習い事のナンバーワンは「水泳」で実に40%近い子供が習っているとのこと。
日本の子供人口の40%がスイミングスクールに通い、圧倒的な母数から有望な選手がピックアップされ、競泳を極めていく。
自然な流れで、有望な選手を幼少時代から確実に取り込むシステムが構築されている。
大手イトマンスイミングスクールは、学習塾大手のナガセグループ傘下にあるように、
子供の囲い込みの入り口としてのスイミングスクールは有望なのだろう。
サッカークラブがスイミングクラブと提携したり、スイミングクラブを運営する時代が来るかもしれない。
※ちなみに、あの「FCバルセロナ」は総合型スポーツクラブとしても知られているが、
バスケ、ハンドボール、ローラーホッケー、ラグビー、バレー、野球、フィギュアスケート、アイスホッケー、フィールドホッケー、
陸上、フットサルなど様々な種目のチームを持つが、スイミングクラブはないようだ。
追伸)
日本発祥の柔道の競技人口も興味深い。
日本17.5万人に対して、ブラジル200万人、フランス56万人、ドイツ18万人、ちなみにアメリカは約2万人。
かつては、日本の中学・高校の多くに武道場が設置され、柔道が体育の授業に組み込まれていたが、
柔道による事故の問題や指導者不足で授業が減少(「ダンス」の台頭もあり)、その影響もあってか競技人口は減少傾向らしい。
やっぱり、インフラと学校体育の影響は大きい。
※しかし、オリンピック柔道(レスリングもですが)の銅メダル2個出すのは、競技団体からすると当然のことなのでしょうか…。